■CG講座 色塗り前編(肌・髪)

線画を準備したら、今度はPainterで色塗りを行います。

Painterで私が使うブラシは、水彩薄筆、水滴、エアブラシ、消しゴム、鉛筆くらいです。薄く、重ねて、色を延ばして・・・というような塗り方を心がけています。(いや・・・あまり色は重ねていないかも(^^;)


◆色の塗り順◆

肌(どこに光源があるか、ファッション雑誌を参考にしてます)

髪(柔らかい感じで、光のあたり具合を考えて塗る)

瞳(一番力を入れるところです(笑))

服(以外と、これが一番難しいです)

背景(一応、参考資料を見て描きます)


フローター(Photoshopのレイヤーにあたる)を使うのは、線画を保護する為に「下準備編」で作成した「背景のコピー(線画)」と、瞳の部分だけで、あとは全て背景に描き込んでいます。

これは単に、私が「水彩薄筆(*1)」が使いやすいのと、フローターを使うと、重くてパソコンが殆ど動かなくなるからです(困ったものです)。

(*1)「水彩」は「背景(下地)」にしか使えません。その為、フローターが必要ありません。必然的にファイルサイズが小さく押さえられます。


◆色塗りその1

Photoshopで保存した画像を開き、RIFFで保存します。そうすると、ブラシの水彩を使う時、「乾燥(*2)」させなくても保存が出来ます。

(*2)「乾燥」とは、水彩ブラシで塗った部分を背景に定着させることです。水彩は水彩レイヤーという(目には見えない)特殊なレイヤー上に描かれます。
◆色塗りその2

私は「水彩薄筆」を使って、一番最初に肌から塗ります。周りにはみ出しても、後から修正で出来るので、大雑把に塗っていきます。

Painterの時は、肌の下地を塗らず、影となる部分だけを塗っています。

光源を考えながら、影の部分を一段暗く(私は透明度を変えて)塗ります。

◆色塗りその3

ブラシの透明度は25〜30%、荒さを100%に設定しています。サイズは、解像度や塗る部分によって、調整して見てください。

大きすぎると、パソコンの性能があまり高くないと、塗りに荒さが出てきて、修正するのが大変です。
◆色塗りその4

肌を塗ってはみ出た部分を「水彩消しゴム」で丁寧に消していきます。水彩で塗った部分は「水彩消しゴム」でしか、消すことが出来ません。

ブラシの透明度は100%、荒さを100%に設定しています。
◆色塗りその5

水彩消しゴムではみ出した部分を全て消し終わったら、「キャンバス」→「乾燥」を選択します。

そうすると、水彩で描いた部分が背景に定着されます。こうすると、もう「水彩消しゴム」では消すことが出来ず、通常の「消しゴム」で消すようになります。
◆色塗りその6

定着させたら「水滴」ツールを使って、なじませていきます(Photoshopの指先ツールと同じ)。

透明度15〜45%で、薄いところ濃いところを調整してなじませていきます。

*顔の部分をなじませてあります。首のあたりは、その前の状態です。
◆色塗りその7

次は髪を塗ります。「水彩薄筆」を使い、塗り方は肌と殆ど同じです。あとから修正出来るので、ブラシの勢いを殺さないように、塗って行きましょう。

*髪に流れが出るように(漫画の原稿で言うと、髪にベタを入れる要領で)流れる方向に塗っていきます。
◆色塗りその8

髪の色は、薄い色を2〜3回重ねていきます。影の部分を少し濃い目に塗ります。

はみ出た部分を「水彩消しゴム」で消していきます。

これも肌と同様の透明度100%、荒さ100%で設定します。
◆色塗りその9

「キャンバス」→「乾燥」を選択し、「水滴」ツールを使って、髪の流れを消さない程度に、なじませていきます。

影を描くとき、同じ色で「不透明度」をかえて塗っています。肌と髪は実際に1色しか使っていません。影のつけ方は、考えただけで描くことは難しいので、慣れるまではファッション雑誌などを参考にしてみましょう。

よく分からないものを、分からないまま描かず、資料を見て、色々な事を確かめながら練習していきましょう。