■CG講座 色塗り後編(瞳・服・背景)

後編では、特に「瞳」について説明します。私は人物を描く上では、「瞳」というものが出来の良し悪しを決めると思っています。「目は口ほどにものを言う」とも言われていますし(笑)。

私の瞳は、中央が茶(もしくはこげ茶)で、周囲が青とか緑色になっています。キャラによっては、1色で表現するときもあります。そのときは、中央を濃く塗った後、周囲を同じ色で薄く塗るか、Photoshopなら「レイヤーを覆い焼きカラーモード」にして光を入れたり、Painterだったら「ブリーチ」で光を入れたりします。また「CGっぽくする」か「アナログっぽくする」かでも、瞳の描き方を違くしています。


◆瞳の塗り順◆

瞳の下地(目の「色」となる部分)

瞳の黒目(中央の黒い部分)

瞳のぼかしその1(下地と黒目をうまく調和させる)

瞳のぼかしその2(調和させた部分に光を入れる)

瞳の光(「白い点」にあたります)

私は瞳によって、「あ、良い感じに仕上がったな」や「失敗した〜」という結果になります。CGなので何度も修正出来るのはいいですね(笑)。

◆色塗りその10

「水彩薄筆」もしくは「鉛筆」で瞳の下地を塗ります。「鉛筆」の場合は、はみ出ないように慎重に、「水彩」の場合は「水彩消しゴム」ではみ出した部分を消し「キャンバス」→「乾燥」(必須!)をさせておきます。

不透明度20〜40%、荒さを100%で塗っています。
◆色塗りその11

「スポイト」ツールで瞳の輪郭の部分で「やや暗め」の色を拾います。フローターを作成し、そのフローターに黒目を「鉛筆」を使って塗ります。ブラシをやや大きいサイズを選び、不透明度も引くくして、何度も何度も重ねて色を濃くしていきます。

まつげの部分や、瞳の輪郭線も上から塗っておきます。

フローターは「通常(不透明度90%)モード」にしてあります。お好みで「乗算」でもいいかと思います。
◆色塗りその11

瞳の下地と瞳の輪郭部分を「水滴」ツールを使って綺麗に伸ばしていきます(HPで見やすくするために、フィルタの「シャープ」をかけているので、雑に見えますが、もっと滑らかにして下さい)。

瞳下地の部分を「ブリーチ(消しゴム)」でさっとなでて、明るくします。

またフローターを「通常モード」で作成し、瞳の一番明るい色を「スポイト」ツールで拾いそのフローターに瞳の白点の下地を「エアブラシ(不透明度100%)」で塗ります。
◆色塗りその12

瞳の白点の下地の上に白色で「エアブラシ(不透明度100%)」で塗ります。そのときに、下地の色が周囲にやや見えるように塗ります。

以前は覆い焼きやブリーチで描いていたのですが、色が上手く出ない時が多いので、またこちらの方がアナログの感じが出ていると思います。
◆色塗りその13

背景の花を塗ります。「水彩薄筆」で塗り、はみ出た部分は「水彩消しゴム」で消します。そして「キャンバス」→「乾燥」をしておきます。
◆色塗りその14

花の模様を「水滴」ツールを使ってのばします。

不透明度20〜40%、荒さ100%
◆色塗りその15

茎に色をぬります。黄・黄緑・緑色を「水彩薄筆」で重ね塗りします。はみ出た部分を消し、「乾燥」させ、「水滴」ツールでなでて滑らかにします。
◆色塗りその16

服に影を入れます。服が白い色の時は、「水彩薄筆」で青系を使って2色位で塗ります。これも洋服の写真等を見て、影をつけていきます。
◆色塗りその17

「乾燥」させ、「水滴」ツールでなでて、滑らかにします。
◆色塗りその18

Painterでの色塗りは、ここで終了です。いったんRIFF形式で保存させた後、Photoshop形式で保存させます。
◆色塗りその19

Photohopで、画像を開きます。

一番上に、新規レイヤーを「覆い焼きモード」にして作成します。
◆色塗りその20

人物に軽く光を入れます。入れるのは髪で光が当たっている部分と、外側の腕の線などです。

上の絵と比べて、少し光が入っているのがわかりますでしょうか?
◆色塗りその21

周囲のオレンジのふわふわとしたものですが、「エアブラシ」を使って、最初にオレンジ色で下地を塗ります。

その上に白色でオレンジの下地より、やや小さく塗ります。
◆色塗りその22

「文字」ツールを使って、文字を入れます。雰囲気にあわせて、文字を決めるのは難しいのですが、逆に楽しみでもあります。

私は文字を入れた後、変更がなければ文字を「レイヤー」→「文字」→「ラスタライズ」させています。
◆色塗りその23

これで完成です。
お疲れ様でした(^-^)

以上でCGは完成です。上手く説明出来たかどうかが、ちょっと不安ですが、わからない所や聞いてみたい事がありましたら、ご連絡いただければ(掲示板でもOKです)、ご説明させていただきます。

次のページでは、Painterで描いた絵を少し紹介します。Photoshopで描いた時と、どう違うのか、見比べてください。